鬼 鴉【総集編】
紅拳に連れられ、親衛隊詰所に案内された闘華は親衛隊隊員に、手放しで歓迎されていた。
「!?」
突拍子も無い親衛隊隊員の喜んだ反応に、闘華は少々面食らっており紅拳に救いを求める。
「彼らは……、鬼人殿を尊敬し崇拝しています」
その理由らしきモノを求められた紅拳は、したり顔で説明を始めた。
「その妹君が副隊長として赴任したのですから、隊員の喜びは図り知れないモノでしょうね?」
まるで、さも当たり前のような説明である。
「ハァ……」
闘華は紅拳の言葉に気の抜けた返事をし、隊員達の顔を見渡す。
「……!!」
隊員達は闘華と視線が合うと、満面の笑みを浮かべ目を輝かせながら、頭を下げる。
「……」
闘華は困り果て、苦笑を浮かべる事しか出来なかった。
主要な隊員が名乗りを上げると、闘華に握手を求め列を作る。
その隊員の1人が闘華と親衛隊との連絡係り兼、従者として行動を共にする事になっていた。