鬼 鴉【総集編】
「……人の力を当てにするくらいなら、最初からやらない方がイイ……。立場ってモンが、分かっていないヤツ程な?」
闘兵衛は、遠回しに紙洲を批判していた。
身分不相応の仕事は、身を滅ぼす。
己の力量をわきまえろ、と、桃太郎に語る。
桃太郎は小川に視線を落とし、口を開いた。
「……お前は何の為に、戦う?」
「ナニ?」
突然の桃太郎の問い掛けに対し、闘兵衛は疑問に顔を歪めて、反応した。
「紙洲親分にしろ、木林サンにしろ……、この街を守るというのが、最大の目的だろう」
「俺は、俺が納得する為に戦う。……他人の大義なんざ、知らんな」
淡々と齎される桃太郎の言葉を、闘兵衛は仏頂面を浮かべながら、即答で否定する。
「紙洲親分は、全ての悪に十手を振るっている。……鬼鴉だけが、悪では無い。と、いう事だ」
桃太郎の言葉に、闘兵衛の目つきが鋭くなった。