鬼 鴉【総集編】
「……第1陸軍にて、城を包囲し、城内に突入。我が部隊の活躍により、城を占領し……」
「もう、結構だ」
洞窟内の一室にて、金髪の美しい女性が淡々とした口調で、報告書を読み上げる。
その報告を、椅子に座り聞いていた凛々しい若者は、ウンザリとした表情で手の平を振りながら、呟く。
「ランスの延々と続く、自慢話を聞いても、意味がないだろう……?」
その若者はボヤクようにして、断ち切った理由をさらに口にしていた。
ここは、鬼鴉のアジト。
蛮族との、戦いの報告書をランスから受けとったロインが、鬼人に提出した事がこの会話の始まりであった。