鬼 鴉【総集編】
「……貧乏侍供が、そうやって借金を踏み倒すつもりだろうがっ!!」
紙洲は頬を吊り上げ冷笑を浮かべると、相手を中傷するように大声を上げる。
「!?……町人風情が、我等を愚弄するつもりかっ!!」
紙洲の言葉に図星をさされたのか、一人の侍が、怒声を上げた。
一触即発。
誰かが微動だにすれば、すぐにでも修羅場が始まってしまうだろう。
緊張感漂う中、紙洲は改めて戦況を確認する。
(凍りついてる糞ダヌキに、腰を抜かした店子、圧倒的に不利だな……。それに比べ、敵は六人。ん?六人っ……!?)
紙洲は、侍の人数が増えている事に気付く。
そしてそれは、侍ではなかったのだ。