鬼 鴉【総集編】
「「っッ!!??」」
その場にいる全員の表情が、恐怖に染まる。
空気の質が変化するという程度の、生易しい殺気では無い。
理不尽に人間を殺す猛獣が、眼前に現れた。
と、錯覚してしまう程の存在感と狂気が、闘兵衛から溢れ出す。
一種の絶望、絶体絶命を確信させる恐怖である。
(……ッこいつ!!)
ジェノスは恐怖の感情とは裏腹に、嬉々として、笑みを浮かべていた。
動いたら、殺される。
そう思わせる程の闘兵衛の殺意が、その場にいる全ての人間の呼吸を、停めているのだった。