鬼 鴉【総集編】
「……ヤメだよ、ヤメ。アタシの負けだ……」
死を突きつけられ、永遠を思わせる程の恐怖は、ジェノスの言葉によって掻き消された。
「「……ホッ……」」
その場にいる全ての人間が、安堵の溜め息を漏らす。
絶対に訪れる、死。
ジェノスが闘兵衛との戦いを再開していたらと思うと、悪寒が走る。
「……で?」
殺気を抑えて、闘兵衛はジェノスに催促した。
「結論から言うとアタシらは鬼鴉じゃ、ない」
ジェノスは双剣を鞘に納めながら、興味が削がれたようにあっけらかんと答える。
「……」
闘兵衛の視線に鋭い殺意が混ざり、不穏な空気が流れ始めた。