鬼 鴉【総集編】
「よくもまぁ、我慢できやしたね……?」
ヴォルトは、闘兵衛らに視線を送りながら確認するように、ジェノスに声を掛ける。
「ん……」
ジェノスは腰まで伸ばした白髪を揺らし微笑みを浮かべつつ、ヴォルトに向き直った。
「アイツの殺気に感化されて……、お嬢の悪い癖が出るのかと思いやしたゼ?」
訝し気な表情を浮かべ、ヴォルトは闘兵衛を顎でしゃくると、口を開く。
よほど、ジェノスのその後の行動を気にしていたのだろうか、怯えた表情を浮かべる。
「……戦っても、良かったんだけどネェ?お前らが半分近くも殺されるのは、面白くないだろ?」
ジェノスは笑みを浮かべたまま、飄々と言葉を返していた。