鬼 鴉【総集編】
「少しは自分を取り巻く環境に、気付くべきだったな?」
闘兵衛は視線をトゥルウから外すと、周りを警戒しながら呟く。
つまらないガキの戯言に付き合ったとばかりに、眼中にすら入れていなかった。
「僕だってっ……」
『パァンッッ』
トゥルウの悲鳴にも近い反論は、突然の火薬による爆裂音によって掻き消される。
一瞬にして、その場にいた全員の動きが止まり、凍り付く。
「正念場……、だな」
闘兵衛は吐き出すように呟くと、まるで、鞘から太刀を抜くように、凶悪な殺気を抜き放つのであった。