鬼 鴉【総集編】
『ドウッ』
足元の石に躓き、禁は後ろに尻餅をつく。
「しまっ……!?」
禁の眼前に、死を誘う者の鉄の爪が迫り来る。
一瞬、禁は死を意識し、眼を綴じてしまう。
『ベキィッッ』
骨の砕ける音が、響く。
鉄の爪による、斬撃は来なかった。
慌てて眼を開け、視界を取り戻した禁の視線に、左上段蹴りにて死を誘う者の頚骨をへし折った、闘兵衛が映る。
左脇にトゥルウを抱え、闘兵衛は悠然と構えているのだった。