鬼 鴉【総集編】
「自分の力量の無さを悔やみ、神に頼るくらいなら……、疱き、足掻け」
闘兵衛は死を誘う者達を見据えたまま、背中越ししに呟き掛ける。
「それだけが、人に与えられた特権だ」
「……っ」
闘兵衛の漏らした言葉に対して、トゥルウ以上に複雑な表情を、禁は浮かべていた。
一瞬の沈黙と、間。
「いいから、行けっ!!……こんな人間の出来損ないなら、すぐに片付けられる」
闘兵衛は、少しだけ声を荒げる。
禁は一度だけ闘兵衛を睨むと、トゥルウの手を引き、銃声の鳴った方角へと走り始めるのだった。