鬼 鴉【総集編】
「……そのとおり、だ。俺は女だよ」
歩を緩めず、禁はサラリと呟く。
「……」
トゥルウは言葉を返せずに、ただ押し黙る。
「勇者が女で、ガッカリしたか……?」
「……!?イイエッ!!そんな事はっ……!!」
苦笑を浮かべ、禁は伺うようにして口を開くと、トゥルウは慌てて否定の言葉を返す。
「……私は、教団というモノを己の力だと、過信していました」
トゥルウは俯いたまま、自分の心情を語り始めていた。