鬼 鴉【総集編】
「あの人の父親と姉が、鬼鴉の人間に殺されたのが、事の始まりです」
「……復讐、という事なのか?」
皐月の説明に対し、禁は冷笑を浮かべ、尋ねる。
「イイエ……。彼はすでに鬼鴉に対して、復讐を果たしています」
皐月はアッサリと、禁の推測を否定した。
「……数多なる戦いは、闘兵衛殿にナニを齎したか、判りませんが……」
過去を簡略し、要点だけを口にする皐月は、さらに続ける。
「彼は復讐をやり遂げ、全てを終わらせ、山に戻ったハズでした」
「……やけに、詳しいじゃないか?」
一区切り付けた皐月に、禁は問い掛けていた。