鬼 鴉【総集編】
後方で、扉の閉まる音が聞こえる。
どうやら、銃佐ェ門は無事に部屋を出たようだ。
「……あの時の決着が、まだだったな?」
赤い武道着の女性と間合いを計りながら、闘兵衛は声を掛ける。
闘兵衛はこの女性と、日本で戦った事があった。
ほんの一瞬の相対ではあったが、並々ならぬ腕前であろう。
お互いに致命傷は与えていないが、闘兵衛の攻撃を避けたのは確かな事実である。
ソレだけで自分並、自分以上の身体能力がある事がわかった。