鬼 鴉【総集編】
「私の名は、紅拳と申します。闘兵衛殿、とお見受けいたしますが……」
赤い武道着の女性、紅拳は己の名前を名乗ると、丁寧な口調で、闘兵衛の名前を問い質す。
「俺の名を、知っているのか?」
闘兵衛は少し驚いた表情で、問い返した。
「私の狙いは、貴方だけですので……」
「だから……、俺の仲間を見逃したのか?」
紅拳の返答に、闘兵衛は間髪入れず、さらに問い質す。
その言葉には、探る為ではなく、確かめるような重みがあった。