鬼 鴉【総集編】
最初に飽和状態となった闘志を爆発させたのは、闘兵衛であった。
闘兵衛は拳と蹴りによる怒涛の連続攻撃を、繰り出す。
的確に、確実に、紅拳の急所を狙うその打撃は、一発一発が必殺の破壊力を持っていた。
『バババババババァッ』
全弾、空を切る。
紅拳は矢継ぎ早に迫り来る闘兵衛の拳と蹴りを、風に揺れる柳の枝のように、慌てる事なく、避け続けた。
「……っチェイッ!!」
身体をシナらせ、闘兵衛は全体重を乗せた右上段廻し蹴りを、放つ。
紅拳はそれを軽くイナすと、闘兵衛の蹴りは空間を斬り裂くのみだった。