鬼 鴉【総集編】
「スマン……、禁。こんな事なら、お前に……」
銃佐ェ門は言葉を途切らせ、嗚咽を漏らす。
「……」
皐月に、銃佐ェ門の感情はわからない。
ただ、いつも銃佐ェ門が冗談半分で口にしていた言葉、禁に惚れている。
という言葉は、案外本心であったのかもしれないと、皐月は感じていた。
尤も、いなくなった人間に言葉を伝える事は、不可能である。
(……闘兵衛殿、は?)
銃佐ェ門に掛ける言葉も無く、いたたまれなくなっていた皐月は、闘兵衛の不在に気付くのであった。