鬼 鴉【総集編】



黒船の甲盤上―



闘兵衛らの帰還を待っているジェノスは、近付いて来る小舟に気付いた。


縄で甲盤に上がって来た3人に、ジェノスの表情が重たいモノに変わる。



「……禁、は?」



押し黙る男2人を無視して、ジェノスは皐月に声を掛けた。


皐月は黙って、首を左右に振る。

その行為だけで、全てを理解させた。



「そうか……」



ジェノスは一度だけ眼を綴じ、無表情で呟く。

冥福を祈るワケではないが、ジェノスなりの礼儀でもあった。


< 889 / 1,582 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop