鬼 鴉【総集編】
数十の死体―
バラバラに惨殺された、百人隊の兵士らを足元に従え、1人の人物が立っている。
「……ッ貴様はっ!?」
恐怖と、驚愕と、怒りが混ざったような表情で、ティグは叫んでいた。
「……」
ボロ布の外套を頭から羽織ったその人物は、無言のまま向き直る。
ティグの内側に存在する警鐘が、大音量を上げ、鳴り響く。
鼓動は早まり危険を報せる警鐘は、ティグの足を後退させる。
ティグが危険を感じて、自分の内側の警鐘に気付いたのは、ジェノスとの戦いの時のみ―
が、今回の警鐘は、ソレ以上の音色であった。