【短編】チョコレートの誘惑
「好きになったのは、高1の春だったんだ…。アタシがちょっとした段差に躓(つまづ)いてコケちゃった時に、龍也くんが手を差し伸べてくれたんだ^^あれ以来ずっとかな…」
しみじみと答える香苗の瞳は、龍也をどれだけ一途に考えてきたのかを訴えている気がする。
「それから、一年くらい過ぎてから、蜜柑と付き合うって話を聞いてさ最初は落ち込んでたんだ。でも、2人の姿見てると何となくお似合いカップルだな。って思えてきちゃったんだよね。だから、もう諦めたの。」
「諦めないでよね!!!香苗。」
「え…?」
「ご、ごめん…香苗の気持ち知らなくて付き合ってた。でも、今それを知ってようやく分かった。香苗、諦めちゃ駄目だよ。明日、丁度バレンタインじゃん?告白しなよ!!!!」
「いきなり告白は…」
「大丈夫だよ!!!今さっきアタシに話したことを全部、龍也に話してみてよ!!今はアイツ、フリーだから言ってみる価値あるよ!!!香苗、後悔したくないなら、頑張って☆」
「う…うん!!分かった。蜜柑、明日アタシ頑張って見るよ^^」
「うん!!頑張れ♪」
って言ったものの…
アタシのロマンチストなバレンタインデーがぁー…