【短編】チョコレートの誘惑





「蜜柑、あのさ…ずっと気になってたんだけど、このチョコ誰にあげる訳?」




そう言って、香苗は机の横に下げてある、紙袋を指差す。


「え…あぁ。何か、多めに作っちゃったみたいなんだよね〜…」


「へぇ、そうなんだ。アタシが食べてあげようか?^^」


「ん〜…」








「駄目ですよ!!!!」


「うわッ!!!!って…また、南月くんか…」


「ひ、日向さん、そのチョコレートは、是非とも好きな人に渡すべきです!!!」





…え?
好きな人……



『一日マネージャー宜しく。』

『アンタの反応まぢでオモロいな^^』




好きな人って言われて、どうしてアイツの顔が浮かぶの?





どうして…



アイツの笑顔が蘇るの?



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