【短編】チョコレートの誘惑





「…っ。そうだね。南月くんの言うとおり、アタシ、今日、本当に好きな奴にあげるよ。」


やっぱり、アタシは…











* * * *


〜〜♪

「二番ホームに列車が入ります。黄色い線の内側でお待ち下さい。」




寒い最中(さなか)、アタシは1人小さな紙袋と、学校指定カバンを持ったまま、白く太い円柱形の柱に寄りかかっていた。


きっと、アイツはまだ仕事で、当分帰ってくる事は無いと思うが、ひたすら待ち続けた。





待っている間、アタシの目の前を何組ものカップルが通り過ぎて行く…




.
< 24 / 60 >

この作品をシェア

pagetop