【短編】チョコレートの誘惑
「へ…?いやー…彼氏待ちって奴かな?ハハハ^^」
嘘ばっかり…
何で素直に言えないのだろう。
「そか^^今日、デートだって言ってたもんな。悪かったな…邪魔して。」
そう言って加月は、アタシに背を向けて歩きだそうとしていた。
そんな加月の服の袖を少し引っ張り…
「ちょっ……待ちなさいよ。」
加月は少し驚いた声で
「ん?なんだよ。」と言った。
何となくだけど、予想できてるくせに、ワザとのように知らぬふりをする。そんな奴なのに…
「…馬鹿なんじゃん?アタシ……彼氏とは別れてるし。」
「だから?」
今でも、心臓が破裂しそうなぐらいドキドキしてるのに、加月はアタシの心臓を壊すまでドキドキさせるのだろうか…
酷い奴。
だけど…そんな加月が……
「す…好きだって言ってんの!!!馬鹿、加月。」
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