天使のレクイエム
どれくらいの時間が経ったんだろう、天使がふっと歌うのを止めてこっちを見て、驚いた様に目を開いた。

「こんばんわ。天使さん。」
僕の口から自然に言葉が零れる。
「とても綺麗な歌だね。 哀しいのに愛しさに溢れてる。
この歌を贈られた人は、とっても幸せだろうな。 こんなに、綺麗な歌初めて聞いたもの。」
僕は、知らずに微笑んでいたらしい。
天使が、驚いた顔から微笑んでくれていたから…
「ありがとう。
褒めてくれて嬉しいけど、私は天使なんかじゃないわ。 私から見れば君の方が天使に見えるわ(笑)
小さな天使さんお名前を教えてくれる」
天使は、嬉しそうに微笑むと僕に名前を聞いてきた。
「僕は、紫苑。千行寺紫苑(せんぎょうじしおん)。
天使さんは」
「紫苑君。私は、佐倉 華姫(さくら はなき)よ。」
天使さんの名前は、華姫さんと言うらしく、とっても彼女に似合ってる名前だと思った。
名前負けしてる僕と違って、彼女を表すのにふさわしかった。
儚く幻想的なまでに美しい桜の花の様な彼女にこれ以上なくぴったりな名前。
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