直球チョコパワー全開!
「……っう…先ぱ~いっ…ひっく…!」
あたしがちゃんとその瞳に、先輩のその瞳に映ってますか?
先輩は笑いながら、優しい手で頭を撫でてくれた。
「泣くか喋るか、どっちかにしろ」
「らってぇー…っ!」
先輩はてっきり、早音さんが好きなのかと。
ずっと勘違いしてた。
「先輩、飲んでもいいですかっ?」
「え、あぁ」
カチッと音をたてて、缶のふたを開ける。
飲み口から漂う、甘いチョコレートの香り。
大っ好きな人から貰った、大っ好きなココア。
“ゴクっ”
「うっし!チョコパワー注入完了ですっ!!」
「は?」
いきなり意味不明な事を言い出したあたしに、驚く先輩。
だけど、そんなのは気にしないっ!
チョコパワーを注入した今のあたしは無敵だよ!
あたしは春先輩に向き直る。