キミトナ【番外編】
「おい!まてよ!」
出て行こうとする優輝を止めた。
「何?もしかして、こんなガキか中学の勉強ができるかって思っているのか?」
思っていることをずばりと当てられた。
「…」
「図星か?大丈夫だぞ。優一は俺の教科書読み漁っていたから」
そう言って出て行った。
こんなガキに…屈辱的…
「俺は兄さんと10歳離れてるから」
そう言って、椅子から下りた。
えらい離れた兄弟だな…まてよ10歳差ってことは…まだ6歳か!?
「早く座ってよ!今から取ってくるから」
言われた通り座って待っていると、よたよたしながら3冊ほど持ってきた。
「大丈夫か?」
そう聞くと睨まれた。
クソ生意気なガキだな…
「まずは、中学の復讐からだね。得意な教科ある?」
「数学と理科」
「じゃあ…この問題集10ページを1時間で」
はぁ?いやいや無理だろ?こんなの1時間でするの!!
「言い訳しないでね?なんかあったら呼んで」
優一はそう言って、また本を読み出した。しかも、小学生が読む本じゃあねーし!!
バンッ!!
「優一!!」
急いだ様子の母親が入ってきた。
「何?母さん」
うんざりした顔で応える優一。
「いいから来て!!」
優一が連れて行かれる…
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