キミトナ【番外編】

「おい!まてよ!」

出て行こうとする優輝を止めた。

「何?もしかして、こんなガキか中学の勉強ができるかって思っているのか?」

思っていることをずばりと当てられた。

「…」

「図星か?大丈夫だぞ。優一は俺の教科書読み漁っていたから」

そう言って出て行った。



こんなガキに…屈辱的…

「俺は兄さんと10歳離れてるから」

そう言って、椅子から下りた。

えらい離れた兄弟だな…まてよ10歳差ってことは…まだ6歳か!?

「早く座ってよ!今から取ってくるから」

言われた通り座って待っていると、よたよたしながら3冊ほど持ってきた。

「大丈夫か?」

そう聞くと睨まれた。

クソ生意気なガキだな…


「まずは、中学の復讐からだね。得意な教科ある?」

「数学と理科」

「じゃあ…この問題集10ページを1時間で」

はぁ?いやいや無理だろ?こんなの1時間でするの!!

「言い訳しないでね?なんかあったら呼んで」

優一はそう言って、また本を読み出した。しかも、小学生が読む本じゃあねーし!!







バンッ!!

「優一!!」

急いだ様子の母親が入ってきた。

「何?母さん」

うんざりした顔で応える優一。

「いいから来て!!」

優一が連れて行かれる…


.








< 29 / 47 >

この作品をシェア

pagetop