キミトナ【番外編】

「あれ?優一は?」

部屋着に着替えた優輝が戻って来た。

「お前の母親に連れて行かれたよ。」

「また、やったのか…」

はぁとため息をつき椅子に腰掛けた優輝。

「またって?」

「母さん料理をした時台所をめちゃくちゃにするんだ。メイドたちが止めるんだけどな、聞かないんだ。」

優一が読んでいた本を読み始める。

でもなんで優一が呼ばれるんだ?

「優一が母さんの代わりにメイドに指示するだよ」

なるほど…





「そんなことより、昇太。一週間で中学の復習済ませて、もう一週間で高校で習うこと学ぼうな?その後、コンピュータ関係のこと学んで貰うから。」

さらっと言う優輝。

コンピュータ関係?

「俺、大学生卒業するまでに会社を興そうと思ってんだ。」

高校生の分際で会社を興す?

「それで俺がなんで必要なんだ?」

「俺の下について協力して欲しい。
今の春沢をもっと大きくするんだ。ホテルとかだけじゃ無理な気がする。」

真剣な目でそう言った。





コンコン

ドアをノックする音が部屋に響く。

「どうぞ」

「優輝様、旦那様がお帰りになりました。」

メイドがそう言って、出て行った。

「行こうか?」

「俺も?」

「うん」

こいつの親父さんって事は春沢の会長?





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