キミトナ【番外編】

「父さん、お帰り」

リビングに入ると優一が父親に抱きかかえられていた。

「おお!優輝か!
ん?後ろの男の子は?」

「は、初めまして!俺、藤本昇太って言います。」

「今日、拾ったんだ。使えそうって思って、ここに住ませていいだろ?」

「いいよ。息子がもう1人増えたみたいだ。」

にこやかにそう言ってくれた。







「ホントにいいのか?」

「いいよ。どうせ使ってない部屋だし」

綺麗で広い部屋を貸してくれた。

「まぁ、働き出したら勢威を込めて俺の下で働いて。」

「わ、わかった。」

モテそうなかっこいい顔して、怖いこと言うな…

「明日、荷物は取りに行けばいいよ。後は、髪黒色にしてな」

「わかった。」

今は茶髪で根元は黒。一見プリンみたいだ。







翌日、住んでいる部屋に荷物を取りに行った。

隆司たちどうしただろう…?メール来てなし


これぐらいかな…あとは頭か…

知り合いの美容室で黒髪にしてもらった。黒髪にすると言うと驚かれた。
でも、まっ当たり前か…

優輝の家に向かう途中で

「昇太!!」

振り返ると隆司が手首に包帯を巻いて立っていた。

「隆司!どうしたその手首?」

「昨日の奴にやられたんだよ!!なんでお前は無傷なんだ?」

あっ…それは…

「しかも何で黒髪?」

「実は…」

正直に言うべきか?言ったらこいつらを裏切っているような気がする…
でも、もう裏切ってるか…


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