キミトナ【番外編】
パッといきなり明かりが付いた。振り返ると、ドアの所で愛子さんが立ってた。
にっこりとほほ笑むと、すぐに奥に行った。
そして、やっと気が付いた。
テーブルの上にたくさんの料理とケーキ。ケーキの上には『いつき誕生日おめでとう』と書かれている。
「俺の誕生日?」
完全に忘れてた。
「忘れてたの?」
「ごめん。仕事のことしか頭になかった。」
「本当バカ!このために来たのよ!恋人の誕生日をサプライズしたくて」
「ありがとう」
さらにぎゅっと抱きしめた。
「あたしは樹のためだったら、アメリカまで駆けつけるんだからね!」
「うん。なっ、雪音。俺のためだったらアメリカで一緒に暮らしてくれるか?」
「お父様の許可が降りたら。と言うか絶対樹と暮らしたい!樹も協力してくれるんでしょ?」
「当たり前。ちょっと待てて」
俺はそう言うと、リビングを出て寝室に行った。
このタイミングでこれを渡していいのかわからないけど…
戻ると雪音がくーくーと寝息を立てて椅子に座って寝ていた。
「寝てるし…」
雰囲気ぶち壊しだろ?
まぁいいか…雪音も疲れてるだろうし。
頬にキスをして、置かれてるケーキのクリームを指ですくって食べた。
「甘っ」
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