蜜×密
「いらっしゃっいませー!1名様ご来店です!」
いかにもホストって人が対応してくれた。
あたしは緊張して、壁に貼ってあった隼人の写真を指差した。
「はるご指名ですね!?お席ご案内します!」
はるって言う名前でやってるんだ。
「はる!姫様からご指名だ!!」
黒いスーツを着て、胸のぼたんを開けてる隼人があたしの手をつかんで、そっとキスした。
「ご指名ありがとうございます。俺はこんな綺麗な人に指名されるなんて幸せな男だ。」
隼人はあたしに気付くことなくお店のテーブルに座った。
「お名前なんて言うんですか?」
隼人はあたしの隣にぴったりとくっついて、メニュー表をひろげた。
「さくらです!」
とっさに母の名前をだした。
「こういうとこ初めて??」
下を向いてるあたしの顔を除きこみながら話す隼人は、なんか慣れてる感じがして少し遠く感じた。
「はじめてです。」
「じゃあカクテルでいいよね?」
隼人は1番安いカクテルを進めてきた。
あたしは小さく頷いた。