おじぎ草
おじぎ草
僕は小さい頃、なぜだか無性に食虫植物を欲しがった。


もう名前は忘れたが、モウセンゴケとかハエトリグサとか、そんな名前だったと思う。


父親は僕に似て変わり者だったので、おもしろがって色々と探してくれていたようだが、母親は、虫とはいえ、家に捕食する生物がいるのを嫌っていたようだ。





今の時代ならば、そういうものも簡単に手に入るのかもしれない。


だが、当時の僕の田舎では到底そんなものが手に入るわけはなく、いつしか僕の興味も食虫植物から昆虫へとシフトしていった。


そんなある日のこと、ばあちゃんが僕を呼び止めた。
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