おじぎ草
ばあちゃんはすごく大きな植木鉢を抱えて、とても満足げな顔だった。


見ると真ん中におじぎそうが、広い敷地に申し訳なさそうに植わっていた。


たぶん、ばあちゃんの中ではおじぎそうも食虫植物も、動く植物ということで同じ種類だったんだと思う。





しかし、その頃僕は既に、食虫植物への興味を失っており、しかも、曇っていたからか、植えたばかりだからか、全部がおじぎしていて、僕にはそれがひどくみすぼらしいものに映った。
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