おじぎ草
「ありがとう……」


とりあえず受け取ったものの、僕はその植木鉢を庭に放置したまま、二度と見ることはなかった。





僕は姉弟の中でも、なぜだかばあちゃんに特別に好かれていた。


だけど、小学校高学年の頃から思春期にかけて、そういう無償の愛が信じられず、むしろ疎ましく思っていた。


正直に言うと、かなりぞんざいに扱っていたと思う。
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