マーブル
第1章 光の中で
その日、私はガヤガヤと賑やかい路地裏の一角に落ちていた。
誰からも振り向かれる事無く、膝を抱えてうずくまる。
学校にも、この夜の街にも私の本当に居場所なんてなくて……。
居候している千波さんの家に帰る気にもならずに、ぼんやりと目の前を歩く人々を眺めていた。
私の目には皆が全て幸せそうに映る。
腕を組んであるくカップルはもちろん、ナンパをしているお兄さんだって、急ぎ足で終電を目指す酔っ払いだって
少なくとも私よりはちゃんと笑顔だ。