マーブル



「俺は困ってる人を助けてやれって言わなかったか? 誰が、廃人を増やせなんて言った?」



「…………」



「そんな心の汚い女、好きになれると思うのか?」



それだけ告げると私の腕を取り外へと促す。



「もういい、行こう」



千波さんの事が気になりながらも……そのまま従うしかなくて。



今の私はきっと……視界に入るだけで、千波さんの心を壊してしまう。それが現実。



背中からは叫ぶような……搾り出すような、そんな千波さんの泣き声が聞こえていた。



< 101 / 196 >

この作品をシェア

pagetop