マーブル
第14章 優しい罠
【千波SIDE】
二人が去って行くのを見ていたら……涙が溢れた。
気が付いたら心のままに叫んでいて
声も涙も枯れるくらいの時間が過ぎても、私は一人だった。
本気で凛が春樹を連れ込んだなんて思ってない。
春樹に心配して欲しくて、だから彼の前で行動を起こした。
でも……まさか、追いかけて来てくれるなんて思わなかった。
そして
こんな形で私と凛の関係がバレる事になるなんて……。