マーブル



その計算が答えに結びついて、自分の悪魔のような計画に自嘲的な笑いが漏れた時



急に春樹に殴られた頬が痛んだ。



痛い。



完全に決別を告げられたようで……痛いよ。



だけどね。



ここまで来たら、今以上に嫌われる事なんて怖くないんだ。



私に心が向かないのなら、いっそ凛の心も壊れてしまえばいい。



そう、凛さえいなければ……。



その時、遠慮がちに玄関をノックする音が聞こえた。



「お帰り……凛」



笑いを堪え、笑顔の仮面を貼り付けて、軽い足取りで玄関へと向かった。



< 111 / 196 >

この作品をシェア

pagetop