マーブル



「あの……千波さん」



そこに立っていたのは凛だけで、つくづく春樹の甘さに呆れそうな自分を抑えると



「さっきはゴメン!!」



「……いや、そんな私は……」



「春樹が好きだったから動揺しちゃって……でももう大丈夫」



「……大丈夫って?」



「考えたの。凛はいい子だし、凛だったら応援しようかなって」



我ながらすらすらセリフが出てくる事に感心しながら偽者の涙を流して謝ると……



「こちらこそ、知らなかった事とはいえ本当にごめんなさい!」



同じように頭を下げる凛。



これでいい。



ね、私達は分かりあえて、仲直りしたんだもんね。



アンタは一生お気楽にそう思ってたらいい。



< 112 / 196 >

この作品をシェア

pagetop