マーブル
第16章 愛しい人へ



最後かもしれない……そう思うと指が震えた。



緊張なんてした事無かったのに。



凛の為に、こんなに真剣に譜面と向き合ったのは何年ぶりか。



あの頃、音楽しか支えが無かった頃の俺とは違う。



凛を想えば……きっと最高の曲が出来る。



そしてそれは



切なくて綺麗な、別れの曲になる。



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