マーブル
ステージが終わり、春樹が凛を呼び寄せたのは店の裏にあるあの非常階段。
一番最初に出会ったあの日、連れてきた場所だ。
「今日の曲……凛の為に作った」
「本当……に?」
不思議そうな顔に少しだけ不安になるから
「気に入らなかった?」
そう聞くと凛はぶんぶんと首を振る。
「ううん、違うの。今まで聞いた中で一番好きだなって思って……」
俺の胸元に飛び込んでくると、甘えた顔で俺を見上げながら
「あの曲私の為にちょうだい……って言おうかと思ってたの」
そんな事を言うから……夢中になってその唇を奪い尽くした。