マーブル



ステージが終わり、春樹が凛を呼び寄せたのは店の裏にあるあの非常階段。



一番最初に出会ったあの日、連れてきた場所だ。



「今日の曲……凛の為に作った」



「本当……に?」



不思議そうな顔に少しだけ不安になるから



「気に入らなかった?」



そう聞くと凛はぶんぶんと首を振る。



「ううん、違うの。今まで聞いた中で一番好きだなって思って……」



俺の胸元に飛び込んでくると、甘えた顔で俺を見上げながら



「あの曲私の為にちょうだい……って言おうかと思ってたの」



そんな事を言うから……夢中になってその唇を奪い尽くした。



< 136 / 196 >

この作品をシェア

pagetop