マーブル
第20章 1年後の真実
それから……拘置所へ何度も足を運んだけれど、春樹が面会を許す事は最後まで無かった。
殺意があったと認定された事、春樹自身が全てを認めている事、そして……衝動的かつ短絡的な犯行であるとの見解から1年4ヶ月の実刑。
控訴する事も無く、春樹は遠くへ行ってしまった。
裁判の日……あの日が春樹に会えるチャンスだったのに、マスターはそれを許さなかった。
それが、マスターと面会した彼の希望だと言うのだから……私も頷くしかなくて。
一人、待つ事に決めたんだ。
時間が二人の距離を元に戻してくれる。
そう……信じたかった。