マーブル
「そんな……だったら春樹は……」
私の為に、事件を起こした?
私の為に、千波さんを?
それで、何も言わずに罪を償ってるっていうの?
「マスター、私!!」
立ち上がった肩を両手で押さえつけられて、再び椅子へと戻されても……どうしようもなくもどかしくて。
「アイツなりに、不器用なりに考えた結果なんだ。だから……馬鹿な事は考えないで欲しい」
「春樹が凛ちゃんを守った事実は……曲げないでやってくれ」
全ての絡まった糸がほどけて溶けて……久しぶりに強がっていた仮面が剥がれ落ち、私はもう
涙を零す以外に何も出来なかった。