マーブル
第4章 記憶
家を飛び出した私に差し伸べられたのは一見優しい、けれど世間知らずな子供を食い物にする人達の汚れた手。
「家出でしょ。うちで働かない?」
「稼げる仕事紹介するよ」
「……いや、未成年だから」
私は一体どうしようと思ったのか。
一人じゃ何も出来ないのに……家を離れてそれに気付いてしまったから
だから
「17でも出来る仕事紹介出来るけど?」
結局はそんな言葉に黙って従うしか、道を見付ける事が出来なかった。