マーブル



家に帰ると、千波さんはまだ帰っていなくて。



今日もデートなんだろうか。



支えてくれる人がいる、それが羨ましくて仕方ない。



それなのに……千波さんの持つ陰の部分。



救急箱に入っている薬の量がまた増えている事で、その闇を憂う。



私には何も話してくれないから分からないけれど、綺麗で満たされた千波さんにもきっと悩みがあるんだろう。



いつも2錠を貰っていた私だけれど、増えたメールと比例するように4錠の安定剤を取り出して、飲み干した。



けれど



薬を飲めば一時の静かな眠りがやって来るハズなのに……何故か瞳は冴えたままで



どんなに体がだるくても、朝になればまた新しい一日が始まってしまう。



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