マーブル



翌日、翌々日……それから毎日、中傷メールの数は増える一方で



だけど、誰が犯人なのか分からない。



そんな中での仕事は本当に苦痛だった。



それでも、生きる為には働くしかない。私にはもう帰る場所なんて無いんだから。



気が付いたら、救急箱から取り出す安定剤の数はシートごとになっていて……手のひらで小さな錠剤の山が出来ていると言うのに、どれだけ飲んでも眠れない。



時々うとうとと浅い眠りにつく事もあったけれど、その時には決まって悪夢を見た。



完全に逃げ場を失った私の体は日に日に追い詰められて……



とうとうある日、目が覚めた朝



現実から逃げ出そうとした私は、大切なものを失ってしまっていた。



< 29 / 196 >

この作品をシェア

pagetop