マーブル



別に……春樹よりカッコいい男だって、真剣に告白してくる奴だっていたのに。



最初はただ興味から、春樹と私は電話番号を交換して時々会うようになった。



付き合おうなんて言葉は無くて、怖くて自分からも聞けなかったけど



夜の街に出てきてからは誰とも触れ合っていなかった私の体、春樹はそこへ火をつけた。



肌を重ねる回数が増える度、こんなに輝きだらけの街の中で、一際輝く春樹という存在が……欲しくなってしまったのは当然の事。



春樹の一番になりたかった。



「寂しそうな女はほっとけない」



そう言われた時、初めて自分は寂しかったんだと気付いて……



春樹がいるだけで、自分の存在価値が出来たようなそんな気がしてたんだ。



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