マーブル
第8章 明かされた真実
それなのに……。
春樹から別れを宣告された次の朝。
一睡も出来ないままキッチンで貰い物のワインを空けていた。
大丈夫。
大丈夫。
そうは言ってもいつもみたいに戻ってくるって。
ひょっとしたら、春樹の噂を聞いてその子の方から去って行くかもしれないし。
2本目のボトルが空になった時、玄関からガチャガチャと扉の開く音が聞こえた。
「ただいま~」
相変わらず何時でもきちんと挨拶をする凛の声。
足音が近付き……ヨレヨレになった私の姿を見た瞬間、その瞳は大きく見開いた。