マーブル



春樹に言われて少しは優しくなったつもりだったんだけどな。



所詮凛を拾ったのだって自己満足だったのか。



一人には慣れていたハズなのに、一人ぼっちな隣にこうして誰かがいるのは初めての事で……



だからつい聞いてしまう。



「何かあった?」



半分呂律も回っていない状態で、何となく聞いた私に返ってきたのは



「彼氏……みたいな人が出来たんです」



私とは間逆な、幸せそうな顔。肩までの短い髪を手で直しながら笑う姿は、少し前の私に似ていて……胸が痛い。



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