マーブル



激しい眩暈と真っ白になる脳裏に耐え切れずその場にうずくまると、そんな私を見下すような笑い声。



そして……衝撃と共にその場に倒れた。



人目も気にせずに、そのまま順番に私の体を蹴りつけると……声は遠ざかっていって



春樹に出会って自信が持てたなんて幻想だった?



ひょっとして、抜け落ちた記憶の部分にはもっと深い闇があるのかもしれない。



考え出したら止まらない。



もし、思い出してしまったら……私は傷付く?



ねぇ……



自分の体なのに、他人のように呼びかける。



自己防衛なら……最後まで守って。



忘れる必要があったのなら、奥へ、奥へと閉じ込めていて?



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