マーブル
第11章 尋ね人
どうしよう……。
浮浪者……では無いよね?
かといって知り合いでもなさそうだし。
記憶を失っているトキの知り合い?
その横顔を盗み見てみるけれど、見覚えは無く。
しかし、あの男にどいて貰わないと家に帰る事は不可能で……
うん、ひょっとしたら誰かの家と間違えてるのかもしれない。
自分を奮い立たせるように、気持ちを切り変えると勇気を出して近付いた。
「あの……」