マーブル



そこにいたのは……酔っているのかフラフラとおぼつかない足元で、扉を開けた千波さん。



いつもの白い肌が……まるで透き通ってしまいそうな位青白くて、怖いぐらいに綺麗で……。



「千波さんっ!!」



「千波!!」



私と春樹の声が被った瞬間に、その瞳がきっと見開いた。



体の奥底から漏れる、甘くかすれた声。



何故か少しの笑みを浮かべながら……千波さんは言った。



「人の家に男連れ込むなんて、凛もいい度胸してんじゃん」



< 96 / 196 >

この作品をシェア

pagetop